「ノルウェー珍道中」第16話
前回の話はこちら。 1時間ぐらい歩くと、フェリー乗り場に着いた。 あれ?もっと歩きたかったな。 いやいや、、。 素直にフェリーに乗ろう。 船着場には売店があった。 「KIOSK」 中に入ると、手作り小物、お菓子、飲み物を売っていた。 ひとまずフェリーの時間を確認すると あと1時間ほどだった。 待っている間、KIOSKの中を見る。 手作りの毛糸の靴下が、すごく可愛い。 おばちゃんに話しかけてみた。 「これはこの辺りの手工芸品なんですか?」 「まぁそうだね。 私が作っているんだよ。」 「えー全部!?」
「こっちの焼き物や絵は、私のダンナが。 こっちの毛糸や布小物は私が。」
「すごーい! ずっとこの辺りに住んでるの?」
「そうだね、うちのダンナは フローリの水力発電所で働いていたからね。」
「え?あの4444段、階段がある所?」
「そうそう。あの人は毎日走って登り降りしてたんだよ。 降りるときは1段飛ばしで。私は絶対無理!」
「うわー。ノルウェー人って皆んな強いですね? 私、昨日プレイケストーレンからバッケンまで 12時間かけて歩いたんですが、もう大変でした!」
「え?あんた1人でかい?あらまぁ。 いやーあそこは大変だよ? アスリートなんかは凄い速さで通り過ぎるけどね。」
「トレック情報の方に聞いたら、あそこを勧められて。 結構危ない所がありました。」
「そうだろう?1人で山歩きするもんじゃないよ。 あんた結婚はしてないのかい?」
「してないです。」
「何歳?」
「30」
「あらー。これから向かう集落に、 奥さん募集中の男たちがいるよ。」
「あ、ちょうど良かった。 その人達にトレッキング連れて行ってもらいます!」
「それがいいね。」
おばちゃんは、賑やかな人で
ダンナさんはもの静かな人だった。
2人とも笑顔が素敵。
すると、山小屋で会った4人組がやってきた。
「あれ?ハーイ!」
「あーさっきの!やっぱり俺たちもフェリーで楽するよ。」
「あーそうなんだ。 昨日は疲れたものね。 あと15分ぐらいで、フェリー来るよ。」 フェリーがやって来た。
「予約の方ー?」
「してないけど、5人のれますかー?」
「、、、ん〜次で!」
「えっ!!!!!?何次って!?いつ?」
「こっちのは小型だから一杯なんだよ。」
5人とも乗れなかった。
KIOSKに戻って時間を確かめると あと2時間後だった。
ガ〜ン。
いっか、毛糸の靴下が買える!
でも、次のには絶対乗れるのかな? 次回は17話。 「ちょっと地図見せて。」
2時間の暇つぶし。 あなたなら、何しますか?
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