楽しい時間

Updated: Jan 2

それは大地に寝転んで、樹を見上げる時。


まるで動物のように、

道なき道を進み、

草や落ち葉や苔の上に寝転び、

目の前に広がる風景をただ見つめる。


そんな時。


何かをする訳でもなく、

ただ、居るという事を味わう。

そこにいる樹と同じ事をして居るだけ。


シンプルだけど、心が急いでいると出来ない。


東京生まれの自分にはエンターテイメントが

有り余るほど周りにあった。

でも、大自然はわずかなものだった。


受験で忙しくなる前、小4の頃、

友達と毎日公園で遊んだ。


ほとんど人が来ない穴場。

木登りに、木の実や木の葉でおままごと。


富士山より遠くに夕日が沈むのを、毎日樹の上から見た。


この贅沢な時間は、私の中のオアシスだったのだと今は思う。


そんな事は忘れ、大学生になりOLになった。

パソコンばかり見つめる毎日。

オフィスはみんなグレーで、四角くて、冷たい。


何かが違う。


ちょうどその頃、友人が面白いイベントを思いついた。



’’夜の森で眠ろう’’



テントなし、寝袋のみで森で一晩眠る企画だった。


必要最低限の物を持ち、ケータイもOFF。

暗くなる前に広い森の中で、自分の寝床を作り

焚き火で温まった後、眠りにつく。


樹が多い原生林では、星や月も見えない。

真っ黒な樹々に、間から見える空の群青色。


怖くはなく、贅沢な気分だった。


よく眠り、陽の光で目覚める。





すると、私の両脇に大きな樹が1本ずつ生えているのに気づいた。



幹はスッと空に伸び、枝を空と平行にウーンと伸ばして、

隣の樹の枝と重なり合う。


寝袋に入って、ミノムシみたいな状態のまま、その景色を見ていた私。


ふと思った。




『地球が私をハグしてる!!』




樹の幹がまるで腕に、樹の枝がまるで指のように見えた。

その時ふと聞こえた。





’おかえり’





この時以来、地面に寝転んで、樹を見上げるのが大好き。

これが私の楽しい時間。

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